第1回「コーチング学導入」
- 伊藤雅充

- 2022年9月15日
- 読了時間: 8分
更新日:11月18日
2022年度後学期コーチング学
さあ皆さん、これから半期15コマのコーチング学授業を始めましょう。第1回は、この授業の到達目標や授業の展開方法等、受講するに当たっての注意事項の確認を行います。
【授業科目の概要・到達目標】
コーチングの知識やスキル(特に対他者の知識とスキル、対自己の知識とスキル)はスポーツに携わる専門家としての実践力を高めることはもちろんのこと、それ以外の活動にもおおいに役立つと考えられます。本授業では、コーチング学領域の各種研究によって得られた学術的知見を基盤にしたコーチングについて学修していきます。本授業を終えるとき、受講している皆さんは、
コーチングの本質について自らの意見を明確に述べられること、
対象者の文脈を考慮した適切なコーチング計画が立案でき、その運営に必要な基礎的コミュニケーション力を身につけている、
柔軟な思考によって多種多様なコーチング文脈に対応するプランを立てられること、
自らの学び計画が立てられること、
が期待されます。
さて、到達目標についての理解度はどの程度でしょうか。毎回、授業に関する理解度をチェックするための課題を行ってもらいますので、毎回、内容をよくチェックするようにしておいてください。では次に、授業方法のチェックをしましょう。
【授業方法】
コーチングは「知ること」に加え「できる」ことが重要となります。そのため、ケーススタディやグループディスカッションなど多くのアクティブ・ラーニングによる学習を取り入れ、知識の獲得と同時にスキルの獲得を目指すのですが、COVID-19対策のこともあり、今期は特に「知ること」の水準を上げられるように授業展開を修正して実施していきます。
この授業では、ウェブテキスト(必要に応じてオンデマンド映像教材)を使って、各回の授業開始前までに自分のペースで事前学修を進め、設定された授業時間内に受講者同士でディスカッション等を行い、各テーマに関する理解度を深めていきます。もちろん、担当教員は皆さんからの質問を受け付け、課題について一緒に考えていきます。また、Microsoft Teamsを活用し、授業内容に関する文字情報での質問などを受け付けます。担当教員に対する質問をすることもできますが、学生間で活発な意見交換が行われることを期待しています。いわゆる反転授業(フリップ・クラスルーム:内容に関する学びを授業時間内に行うのではなく、事前に学修し、授業時間内は事前に学んできた内容について学生同士や教員とディスカッションすることで理解を深めていく授業運営方法)です。
ウェブテキストの内容が理解できているかどうかをチェックするための理解度チェック課題を、その該当回の授業時間開始後15分まで(14分59秒以内)に実施します。通信異常によって未実施になったとしても考慮しませんので、期間内に早めに実施するようにしてください。何らかの不可抗力によって実施が困難な場合には課題が締め切られるよりも前に教員に連絡を入れるようにしてください。事後の申し出は原則として認められません。授業開始から15分経過したところから、その内容に関するアクティビティをおよそ45〜60分間、行います。残りの15〜30分で次の回のテキストに関する解説を簡単に行います。その内容についての理解度チェックを次の回の開始15分までに実施するというサイクルを繰り返していきます。
ビデオ会議システムが必要な場合には、Microsoft Teamsとzoomのいずれかを使うことにします。どちらを使うかはクラスによってことなりますので注意して下さい。オンデマンド映像はYouTubeあるいはStreamを使って配信されます。いずれも場合も、授業に関する連絡(例えばzoom URLやYouTube URL、課題など)はMicrosoft Teamsを使って行われますので、普段からTeamsの連絡をチェックするようにしてください。n-passによる連絡は第1回目の授業についてのみで、その後は全てのアナウンスをTeamsで行います。また、教員に個人的に問い合わせする必要がある場合もTeamsのチャット機能を使って連絡をしてください。
それでは、授業で扱う内容についてみてみましょう。
【展開】
コーチング学導入
コーチング哲学
アスリート・センタード・コーチング
セーフスポーツを実現させるコーチング
コーチに必要とされる知識と基本的機能
コーチング環境を整える
年間計画を立案する
目的が明確な練習メニューを組む
アスリートの4C'sを導く4つのアプローチ
言葉の力を磨く
聴く力と観る力を磨く
ユーススポーツのコーチング
コーチとしての学び
ハイパフォーマンスコーチング
様々な文脈におけるコーチング
ここに示した内容について学んでいくことを予定していますが、それぞれのクラスの興味や進行状況等によってはいろいろアレンジしながら授業を展開していくことがあります。
次に成績評価についてみておきます。しっかりと確認しておいてください。
【成績の評価方法・基準内容】
出席回数が全体の3分の2以上ない場合は成績評価の対象とならない。
成績評価は各回の理解度チェック課題の評価(60%)と最終課題(レポート)の評価(40%)で行う。
各回の理解度チェック課題の正答率を算出します。全授業(15回)の平均正答率を算出し、その値と60点との積を求めて、各回の課題の評価とします。最終課題レポートのテーマは皆さんがこの授業を通して学んだことをまとめるものになるでしょう。そのレポートを40点満点で評価します。各回の理解度チェック課題の評価と最終課題の評価の合計点数(100点満点)で最終成績を算出します。
【準備学習(予習復習の内容)】
授業で学んだことを可能な範囲で実践し、「知る」から「できる」にむけて挑戦をしてください。コーチングは知っているだけではなく、実際にできることが重要です。今回の授業で「知った」ことを、安全・健康が確保される中で、できることは挑戦してもらいたいと思います。そして、社会的距離をとることが解除される時期になれば、より積極的にコーチング学で学んだことを試してもらいたいと思います。
自分は指導者ではないのでコーチングを練習する場がないという人がいるかもしれません。しかし、学修を進めていくと、ここで学ぶ内容はスポーツ指導の場だけで求められるスキルでないことが分かってくると思います。日常生活の中でも十分に練習できることがたくさんありますので、思考を柔軟に、自ら学びの場を作り出していって下さい。
【受講生に対するメッセージ】
コーチング学で得られる知識やスキルは、スポーツの指導にとどまらず、学生生活においても役立てることができ、皆さんの人生をより豊かにしてくれるものと思います。楽しく真剣に全員でよりよいコーチングについて考えましょう。担当教員はあくまでも受講生の皆さんの主体的な学びを支援するファシリテーターです。
学びの主体は皆さんです。私が教えるから皆さんが学ぶのではありません。私が教えても、皆さんが学んでいなければ、私は「教えた」とは言えません。自分自身の学びに責任をもって取り組みましょう。
最後に教科書というわけではありませんが、参考文献を紹介しておきます。基本的には、ウェブテキストで学修を進めていけば大丈夫ですが、より学びたいという人のために、さまざまな文献や映像資料の紹介を授業内、あるいはTeamsで行っていきます。
【参考文献等】
日本スポーツ協会(2019)「リファレンスブック」 日本スポーツ協会ウェブサイトから直接購入(リンクしてあるのでクリックしてみてください)
日本コーチング学会編(2017) 「コーチング学への招待」 大修館書店 ISBN: 9784469268195
平野裕一、土屋裕睦、荒井弘和編(2019)「グッドコーチになるためのココロエ―Webアシスト付」 培風館
【Microsoft Teamsおよびzoomの利用案内】
本授業はMicrosoft Teamsおよびzoom等のビデオ会議システムやオンライン学習支援システムを活用した双方向性豊かな方法論を採用して展開していきます。通信環境に不安のある人は相談をしてください。ただ、今後の世の中の流れを考えても、皆さんのITスキルを向上させていくことは大学教育の重要な役割だと思いますので、これまでITが不得意だった人も積極的に挑戦して下さい。
皆さんは大学のメールアドレス(学籍番号@nittai.ac.jp)を持っており、これは既にTeamsへのアクセス権を持っていることを意味します。すぐにTeamsが使えるのです。まだやったことがない人は、ぜひやってみましょう。
まずはこのURLからMicrosoftのページに行き、アプリをダウンロードします。PC用のもの(デスクトップ版)とモバイル版とを選ぶことができます。
ダウンロードとインストールに少し時間がかかるかもしれませんが、我慢強く待ちましょう。インストールが終わり、アプリが立ち上がる(立ち上がらなければ自分で起動してください)と、ユーザー名とパスワードを聞かれる画面が出てきます。そこでは必ず大学から配布されたメールアドレスを使い、パスワードも入力してサインインをしてください。
この授業を履修登録していた人は全てこの授業のチームに既に登録されています。アプリケーションの「チーム」を選ぶと、登録されている人の画面には「●●コーチング学」という名を持つアイコンが現れると思います。これでもう準備完了です。
もうひとつ、授業で使う可能性があるのがzoomです。Zoomのダウンロードは以下のサイトから行ってください。
Microsoft Teamsとzoomのインストールができたら授業の準備完了です。これから半年間、よろしくお願いします。
