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第15回「様々な文脈におけるコーチング」

更新日:11月18日

2022年度後学期コーチング学


 いよいよ、コーチング学授業の最終回です。

 これまでの授業で、コーチングに絶対的な正解はないということに何度も触れてきました。どのような素晴らしい成果をあげているコーチでも、その実践したコーチングが最善であったかどうかは分かりません。もしかすると、他の方法論をとっていれば、より高い競技成績や幸福感を導くことができたかもしれないのです。逆に、成果は出なかったけれど、その方法が最善であった可能性もあります。コーチングの対象、コーチングの文脈が唯一無二のものだけに、「たられば」の話をしたとしても、何が正しいものであったのかを判定することはできません。コーチとして重要なことは、今この瞬間に最善の努力をし、自分がこれまでに学んできた全ての知識、知恵を総動員して、ベストだと思うことをやり、そこで何が起こったのかを振り返り、次の実践をよりよいものにしていくことです。

 何が正しいかは分からないと言いましたが、日体大のコーチング学として皆さんに勧めていることもあります。「アスリート・センタード・コーチング」です。上述のように、何が正しいかを判定することが難しいからこそ、アスリート・センタード・コーチングはスポーツ実践の主体であるアスリートの有能さの向上や幸福感の醸成を目的にしています。コーチングの対象や、その場が持つ特徴(文脈)が変わろうとも、アスリート・センタード・コーチングを心がけているコーチは、その時々でその文脈に適した方法を選んでいけると考えられます。

 今日のテーマは「様々な文脈におけるコーチング」です。無数に考えられる文脈を一つひとつ説明していくことはとうてい不可能です。したがって、結論を先に述べ、それを念頭にいくつかの特徴的な文脈を例に挙げ、コーチらが何を考えてコーチングしているのかに触れてもらうことで、アスリート・センタード・コーチングの重要性を感じてもらいたいと思います。どのような文脈であったとしても「アスリート・センタード・コーチング」のコンセプトが皆さんのよりよいコーチングを可能にしてくれるはずです。アスリート・センタード・コーチングをベースに、それぞれの文脈に特徴的なニーズに合わせてコーチングの仕方をアレンジしていくことをしてみてください。

3つの文脈で活動するコーチの話

 ここでは、3つの映像を紹介します。必ず最低一つは視聴してください。事後課題はビデオの内容に関するものとなっています。もちろん映像は3つとも視聴してもかまいません。しかし、事後課題として提出できるのは、いずれか一つの映像についてのみです。


障がい者スポーツのコーチング

日本体育大学コーチングエクセレンスセンター主催の日体大CONNECTウェビナー

第1回「コーチとアスリートの学び合い」花岡伸和、宿野部拓海、藤田佑平(65分)



子育てをしながらのコーチング

日本体育大学コーチングエクセレンスセンター主催の日体大CONNECTウェビナー

第2回「女性コーチ子育て奮闘記」関根明子、小林咲里亜、中嶋亜弥(61分)



ジュニアの考える力を伸ばすコーチング

日本体育大学コーチングエクセレンスセンター主催の日体大CONNECTウェビナー

第7回「ゲームはゲームからしか学べない」小野澤寛人期、臼井智洋(61分)




おわりに

​ 皆さんの多くは現役のアスリートであり、実際にコーチングを行っている人は少ないと思います。コーチング学を学んだとしても、自分にコーチング経験がなければピンと来ない内容も多々あったと思います。しかし、コーチング学はスポーツのコーチングを行うときのみにしか活用できないのではなく、一般社会の様々なところで役に立つ知識です。将来コーチにならない人も、コーチング学での学びを公私両面で活用し、自分自身の成長につなげて欲しいと願っています。お疲れさまでした。

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