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自己決定理論と制御的な動機づけ戦略
今日のテーマは「自己決定理論と制御的な動機づけ戦略」です。昨日の記事では、「 自己決定理論と対人関係スタイル 」について論文のイントロ部分を紹介しましたが、その続編です。対人関係のスタイルとして、自律性支援行動と制御行動についてごく簡単に触れられていたと思いますが、今日は制御行動について、いろいろな具体的な例が紹介されます。もう早速みてみることにしましょう。 自己決定理論と制御的な動機づけ戦略 制御的な動機づけ戦略を用いることについては、子育てや教育学の領域で活発に議論されてきた。スポーツの文脈でコーチが用いるかもしれない制御戦略を同定するためにBartholomew, Ntoumanis, & Thøgersen- Ntoumani(2009)は子育てと教育の領域、スポーツに関係する文献を調べて総説論文を書いている。その総説論文では多くの制御的行動が示された。 最も顕著な制御戦略のひとつが 報酬の制御的利用 である。外的な報酬を行動制御のために用いることが可能であるという事実は心理学の文献ではかなり前から言われてきた(Skinner,...

伊藤雅充
2020年1月31日読了時間: 7分


自己決定理論と対人関係スタイル
昨日のブログでは修士課程2年生の玉田さんがコーチの「対他者の知識」について記事を書いてくれました。コーチがどのような行動をとるかは、アスリートの発達の様々な側面に影響を与えます。心から疑いもせず良かれと思っていることが、アスリートに負の影響を与えてしまっているとしたらとても悲しいことです。今日紹介するのは、まさにアスリートに負の影響を与えるコーチ行動についての論文です。 コーチングにおける制御的対人関係スタイル:心理測定スケールの開発と初期検証 Bartholomew, k. J., Ntoumanis, N., & Thogersen-Ntoumani, C. (2010) The controlling interpersonal style in a coaching context: development and initial validation of a psychometric scale. J Sport Exerc Psychol, 32(2), 193-216 この論文は、最終的に制御的コーチ行動尺度(Controli

伊藤雅充
2020年1月30日読了時間: 7分


Para-Athletics Training Camp in Zambia
パラ陸上トレーニングキャンプ in ザンビア 2020年1月26日~30日、ザンビアにてアフリカ地域対象のパラ陸上トレーニングキャンプを実施しました。目前に控えたドバイでの世界パラ陸上GPに向けた、パフォーマンス向上に必要な技術・知識を得ること、東京2020とその先を見据えた戦略的プランの作成を目的とし、講師にはゴーティエ・シモネ氏(フランス)とエリック・カラシラ氏(ルワンダ)を迎えました。 地元ザンビアの他、ギニアビサウ、マラウィ、ジンバブエから総勢25名の参加者が集まり、アフリカでのNEPPプロジェクト最大のイベントになり、参加者のモチベーションアップになったことはもちろん、アフリカンコミュニティの形成・強化に向けた大きな一歩になったと思います。 From 26th to 30th January 2020, we held a para-athletics training camp in Zambia for the African region.Gaining the skills and knowledge necessary f
NEPP
2020年1月30日読了時間: 1分


コーチの「対他者の知識」
修士課程2年生の玉田です。現在、修士論文審査の真っ只中ですが、ひとふんばりして、「コーチの知識」の続編をお届けしたいと思います。前回、コーチの知識には3つにまとめて考えることができるということを最初にお伝えしました。その3つとは「専門的知識」「対他者の知識」「対自己の知識」です。前回は専門的知識について扱いましたので、今回はその次の「対他者の知識」をお届けしたいと思います。そこでも触れたのですが、コーチの知識といった場合、宣言的知識(WHAT)と手続的知識(HOW)の両方を含んていることに注意してください。つまり、対他者の知識といった場合、他者と良好な関係を構築したり維持したりするにはどうすればよいかという理論を知っているということ(今回はこちら側)だけでなく、実際に他者と良好な関係を構築することができるスキルを身につけているということも含まれます。 この記事のもとになった文献は↓ Defining Coaching Effectiveness, A focus on coaches’ knowledge, Gilbert, W. & Côté
玉田理沙子
2020年1月29日読了時間: 6分
![コーチと保護者のミーティングを実施する[論文紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_74358bfecd374a9086530e759f43c8d0~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_74358bfecd374a9086530e759f43c8d0~mv2.webp)
![コーチと保護者のミーティングを実施する[論文紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_74358bfecd374a9086530e759f43c8d0~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_74358bfecd374a9086530e759f43c8d0~mv2.webp)
コーチと保護者のミーティングを実施する[論文紹介]
「ユーススポーツにおけるコーチと保護者の関係を強める:調和を増進させ悩みを最小化させる」 (Smoll, Cumming, Smith, 2011)の論文紹介の第4部(最終回)で、話題は「コーチ・保護者ミーティングの実施」です。練習や試合をしていく中で起こりうる保護者に関わる課題を最小限に食い止めるために、年度初め(文中ではシーズン前という表現になっています)に保護者のミーティングを設定して、しっかりと双方向コミュニケーションのチャンネルを作っておくことを勧めています。文脈が北アメリカのもので、日本でどうかという部分もありますが、さまざまなアイデアをもらうことはできるはずです。 過去の記事へのリンクはこちらからどうぞ。 第1部「ユーススポーツの目的とは?」 第2部「保護者の責任と挑戦」 第3部「双方向コミュニケーション」 最後に、第1部から第4部で紹介したこと全部をまとめる「結論」がありますので、そこで再度全体を振り返ってみてください。それでは今日のところをどうぞ。 コーチと保護者のミーティング コーチは利他的に膨大な時間と努力を注ぎ込み、子

伊藤雅充
2020年1月28日読了時間: 13分
![コーチと保護者の双方向コミュニケーション[文献紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_cc686e2faf0e4414b2e9987c3c518ebc~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_cc686e2faf0e4414b2e9987c3c518ebc~mv2.webp)
![コーチと保護者の双方向コミュニケーション[文献紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_cc686e2faf0e4414b2e9987c3c518ebc~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_cc686e2faf0e4414b2e9987c3c518ebc~mv2.webp)
コーチと保護者の双方向コミュニケーション[文献紹介]
「ユーススポーツにおけるコーチと保護者の関係を強める:調和を増進させ悩みを最小化させる」 (Smoll, Cumming, Smith, 2011)の論文紹介の第3部で、話題は「双方向コミュニケーション」です。今回は、典型的な保護者の例がいくつか挙げられ、それに対してどのような言動をとっていくことが考えられるのかが示されています。自分だったらどうするだろうと考えながら読むと面白いと思います。 過去の記事へのリンクはこちらからどうぞ。 第1部「ユーススポーツの目的とは?」 第2部「保護者の責任と挑戦」 双方向コミュニケーション 保護者は子どもが参加している 全て の活動について問い合わせる権利と責任を有している。スポーツもその例外ではない。そのため、コーチは保護者の声に対してオープンでいるべきで、質問に対して喜んで答えていくべきである。 コミュニケーションは2車線道路 のようなものであることを覚えておかなくてはいけない。コーチがコミュニケーションのラインを開いておけば、保護者と建設的な関係を築ける可能性が高い。 双方向コミュニケーションを促す

伊藤雅充
2020年1月27日読了時間: 10分
![ユーススポーツにおける保護者の責任と挑戦[論文紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_47fa48812bfb409d9589763a9495e1e7~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_47fa48812bfb409d9589763a9495e1e7~mv2.webp)
![ユーススポーツにおける保護者の責任と挑戦[論文紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_47fa48812bfb409d9589763a9495e1e7~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_47fa48812bfb409d9589763a9495e1e7~mv2.webp)
ユーススポーツにおける保護者の責任と挑戦[論文紹介]
「ユーススポーツにおけるコーチと保護者の関係を強める:調和を増進させ悩みを最小化させる」 (Smoll, Cumming, Smith, 2011)の論文紹介の第2部で、話題は「保護者の責任と挑戦」です。今回は、ユーススポーツを「こどものもの」として運営するときに重要な保護者に関する課題がまとめられていました。保護者の成長機会をコーチが提供していくヒントが得られることと思います。 過去の記事へのリンクはこちらからどうぞ。 第一部「ユーススポーツの目的とは?」 保護者の責任と挑戦 子どもがスポーツプログラムに加入したとき、保護者は自動的にいくつかの義務を負うことになる。最初、そのことに気づかず、期待されていることを後から知って驚く保護者もいる。それ以外の人は自分の責任に気づかず、自分の子どもがスポーツを通して成長する機会を見逃している場合もある。あるいは自分の子どもたちが成長することを妨げる行動をとってしまう人もいる。 まず始めに保護者は、子どもがプログラムに 参加しない という判断をする権利を有することを知っておかなくてはならない。保護者は子

伊藤雅充
2020年1月26日読了時間: 10分
![ユーススポーツの目的とは?[論文紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_2e15f3d449334ea38c305c4c7bf12871~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_2e15f3d449334ea38c305c4c7bf12871~mv2.webp)
![ユーススポーツの目的とは?[論文紹介]](https://static.wixstatic.com/media/ad8f4a_2e15f3d449334ea38c305c4c7bf12871~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/ad8f4a_2e15f3d449334ea38c305c4c7bf12871~mv2.webp)
ユーススポーツの目的とは?[論文紹介]
ユーススポーツ(ここではざっくりと未成年のスポーツとしておきます)に関わるコーチの悩みリストの上位に食い込むのが「保護者との関係」ではないでしょうか。私自身、アスリートの親としてコーチらといろいろ話をさせていただきましたが、親としてどこまで何をやることが好ましいのかには、とても頭を悩ませた覚えがあります。小学生から高校生のアスリートをコーチングしていた際にも、保護者の皆さんとどのように協力するのかについてはかなり気を配っていました。私個人的には、コーチがスポーツの専門家として保護者のスポーツペアレンツとしてのスキルアップを支援できるようになるとよいなと思っています。保護者の方が当該スポーツに関する知識(コーチではなくプレーヤーとしての知識)が豊富であったりする場合も少なくありません。子どもの年齢が低いほど、コーチよりも親と過ごす時間の方が長いのはごく普通のことで、保護者の考え方、その家庭の価値観、文化といった文脈が子どものスポーツに対する考え方や態度に大きく影響することになります。コーチがコーチングの場でポジティブな声がけをしていても、保護者が日

伊藤雅充
2020年1月25日読了時間: 10分


自分の「正解」を疑え
今回の記事は、Coaching & Playing Volleyball 83号(2012年)に掲載していただいた私(伊藤雅充)の記事「ディープな練習を確保するのはコーチの責任」の一部を修正しつつ抜き出したものです。コーチが「正解」を教えようとすることに対しての考察を行っています。このCPVはバレーボールコーチングの質を上げようという意志を持った読者向けの雑誌ですので、もともとの記事は「バレーボール」に特化して書いていましたが、少し他の種目にもあてはまるように表現を修正しています。 人の数だけ基本がある より深い、質の高い練習を組むためには、スポーツをさまざまな観点から分析し、理解していく必要があります。私たちは自分たちが経験したことを通して形づくられた、別々の色眼鏡(価値観、哲学観)を通して物事を観ています。川端康成が「人間は習慣の奴隷である」と言ったといわれていますが、確かに自分が普段から何気なくおこなっていることが間違いだとはなかなか思いません。そのような意味で、ある事象に対して複数の人間が異なる意見を持つことは珍しくありませんし、むしろ

伊藤雅充
2020年1月24日読了時間: 8分


心理的な距離を縮めて障がい者のスポーツ参加を促そう
こんにちは。M3の宿野部拓海です。伊藤研究室でコーチング学を学びながらパラ卓球競技の選手として活動しています。2017年に競技活動の援助を受けるために日体大の大学院に進学しました。コーチング学を学ぶなかで、人それぞれ障がいの種類や度合いが違う、私のような障がい者にとってアスリートセンタードコーチングの理論は、とても重要だと感じました。また、入学当初はセルフコーチングで競技生活をしていこうと考えていましたが、指導者の大切さを再認識し、自分に合わせて指導してくれる指導者を見つけたいと思うようになりました。現在は信頼できる指導者と一緒に試行錯誤しながら日々の練習に励んでいます。今年度の修士論文では自身を題材に、パラアスリートである私の競技継続を支えた指導者の共感について執筆しました。この記事では障がい者のスポーツ参加の現状と課題について触れていきます。 障がい者のスポーツ参加の現状 パラスポーツは東京パラリンピック開催を契機に新聞やテレビ等のメデイアで多く報道されるようになり、注目度が増してきています。また、パラスポーツの認知度向上のための施策として
宿野部拓海
2020年1月23日読了時間: 6分


変革型リーダーシップでパートナーとともに成長したい 〜ビーチバレーボールへの適用〜
皆さん、こんにちは。日本体育大学大学院コーチング学専攻博士後期課程2年の白鳥歩です。私は現役ビーチバレーボール選手としての活動を行いつつ、大学院でコーチング学を学んでいます。学部も日本体育大学でバレーボール部に所属していましたが、卒業と同時にビーチバレーボーラーとしての道を歩み始めました。しばらく選手として活動をしていましたが、2016年4月にさまざまな可能性を求めて大学院進学をし、今に至っています。大学院生とプロスポーツ選手というデュアルキャリアを歩んでいる自身の経験を通して、現役の時からコーチングを学ぶことにはたくさんのポジティブな側面があると感じています。まだまだ選手として精一杯頑張っていることもあり、フルタイムコーチとは違った視点からコーチングについて考えていますが、皆さんと多くの事を共有できたら幸せです。 スポーツにおいて、公式なリーダーの役割をする代表的な人はコーチ(一般にコーチというと監督やアシスタントコーチなど、さまざまな指導的立場にある人全てのことを指します)とキャプテンだと思います。先日来、S&Cセッション内で非公式リーダー
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2020年1月22日読了時間: 6分


コーチの「専門的知識」とは
修士課程2年生の玉田です。今回から何回かに分けて「コーチの知識」についてギルバートとコティによって執筆された文献(2013)を参考にコーチの知識について解説を試みたいと思います。 本題に入る前に、少し自己紹介をさせてください。私は小学校1年生から剣道を始め、今年で19年目になります。現在は五段を取得するために日々稽古に励みながら、大学のアシスタントコーチとして学生の指導をしています。修士論文は「日本一を経験した高校剣道指導者はアスリートに4C'sを育もうとしていた」というテーマで、海外のコーチング理論が日本固有の文化で発展してきた剣道指導の文脈でも行われているのかという研究を行いました。初めての研究でしたが、たくさんの学びがあり、楽しむことができました。 この記事のもとになった文献は Defining Coaching Effectiveness, A focus on coaches’ knowledge, Gilbert, W. & Côté J. In: Routledge handbook of sports coaching, ed
玉田理沙子
2020年1月21日読了時間: 8分


コーチングは「構造化された即興」
複雑で動的なコーチング文脈 授業や研修会などで、「○○はどうすればよいでしょうか」のような質問を受けることが頻繁にあります。この問いに対する答えはほぼ決まって「その状況によって変わってきますが・・・」という枕詞からスタートします。その場が持つ特徴のことをまとめて「文脈」、あるいは英語で「コンテクスト(Context)」と呼んでいます。この文脈がとても複雑で動的であることがコーチングを困難にしていると同時に、とてもチャレンジングなやりがいのあるものにしていると思います。Mallett(2007)はこの文脈が複雑で動的であるということをMuddiness of coaching context(混沌としたコーチング文脈)と表現しています。 文脈を構成する要素を完全に特定することはできません。代表的なものを挙げるとすれば、コーチング対象者の特性(年齢、性別、身長、体重、体脂肪率、筋力、持久力、兄弟構成、思考、過去の経験等)、実施するスポーツの特徴(競技特性、ルール、施設・用具等)、スポーツシステム(大会システム、協会、育成システム、国のスポーツシス

伊藤雅充
2020年1月20日読了時間: 6分


RE: S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ能力を育てる (3)
S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ開発をしていく論文に対する、日本のS&Cコーチからのコメント3日目です。1日目はJTマーヴェラスの山内さん、2日目は早稲田大学ラグビー蹴球部の村上さんからのコメントを紹介しました。そして今日は、先日の大学選手権で早稲田大学と決勝を戦った明治大学ラグビー部でS&Cコーチを務める藤野さんからのコメントを紹介します。 藤野さんからのコメントに入る前に、今回初めて訪れた方のために関係する記事へのリンクを貼っておきます。 コメントの元となった記事: 第1回 、 第2回 、 第3回 、 第4回 コメンタリー: 山内さん(JTマーヴェラス) 、 村上さん(早稲田大学ラグビー蹴球部) それでは藤野さんからのコメントをどうぞ。 はじめに 明治大学ラグビー部でストレングス&コンディショニング(S&C)コーチをしている藤野健太(フジケン)です。先日の大学選手権では決勝で、私が所属しているバイタルストレングスの村上貴弘氏が指導する早稲田大学ラグビー蹴球部に敗北し、コーチングの難しさと同時に楽しさも改めて実感しています

伊藤雅充
2020年1月19日読了時間: 8分


RE: S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ能力を育てる (2)
2020年1月12日〜15日の4日間にわたって、2019年にStrength and Conditioning Journalに掲載された「ストレングス&コンディショニングセッション中にアスリートの変革型リーダーシップ行動を増加させる戦略(Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions.)」に関するコメンタリーの第2回目です。 毎度ですが、念のために過去の関連記事へのリンクです。 第1回記事(1/12)へのリンク(リーダーシップに関する理論背景1) 第2回記事(1/13)へのリンク(リーダーシップに関する理論背景2) 第3回記事(1/14)へのリンク(全トレーニングセッションでのリーダーシップ機会) 第4回記事(1/15)へのリンク(リーダーシップ機会のローテーション) コメンタリー(1/17)へのリンク(JTマーヴェラスS&Cコーチ山内亮さん)

伊藤雅充
2020年1月18日読了時間: 7分


RE: S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ能力を育てる (1)
2020年1月12日〜15日の4日間にわたって、2019年にStrength and Conditioning Journalに掲載された「ストレングス&コンディショニングセッション中にアスリートの変革型リーダーシップ行動を増加させる戦略(Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions.)」を紹介しました。 第1回記事(1/12)へのリンク 第2回記事(1/13)へのリンク 第3回記事(1/14)へのリンク 第4回記事(1/15)へのリンク 原文の詳細は↓ Smith, V., & Moore, E. W. G. (2019). Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions.

伊藤雅充
2020年1月17日読了時間: 7分


さまざまな質問を使い分ける
効果的なコーチングを行うには、高いレベルのコミュニケーションスキルが必須です。コミュニケーションの語源が「共通項、共通項を作る」というところにあることからしても、そもそも双方向性が保たれていない、コーチからの情報伝達に終わっているものはコミュニケーションとは言えない可能性が高いと思います。もちろん一方的な情報伝達でも共通認識を作り上げることは可能ですが、一方的なだけに相手が本当に同じ認識を持ったかどうかの確認のしようがありません。 相手がどのように考えているか、感じているかを知るには、コーチとアスリートの間の関係が対等である中で、アスリートに自分のことを正直に語ってもらう必要があります。全てを質問にする必要はありませんが、質問ができないというのでは困ります。コミュニケーションを通してコーチとアスリートの共通認識を作り上げながら効率的にパフォーマンスの向上を図っていくことが必要です。 また、コーチが質問をすることを通して、アスリートの考えや気持ちを大切にしていることを暗黙的に伝えることができます。人間の心理的欲求として有能感、自律感、関係性があ

伊藤雅充
2020年1月16日読了時間: 5分


S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ能力を育てる(4)
今回が、2019年にStrength and Conditioning Journalに掲載された「 ストレングス&コンディショニングセッション中にアスリートの変革型リーダーシップ行動を増加させる戦略 (Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions.)」紹介の最終回です。第1回と第2回で紹介した部分では、理論的背景の解説が行われ、第3回ではS&Cセッション全域にわたって変革型リーダーシップのスキルをトレーニングする方法について事例が挙げられていました。それぞれの記事は次のリンクからチェックしてみてください。 第1回記事(1/12)へのリンク 第2回記事(1/13)へのリンク 第3回記事(1/14)へのリンク 最終回となる今回は、前回に引き続き、現場で具体的にどのような実践を行うことができるのかという実践的な内容となっています。前回はトレーニングセッション中

伊藤雅充
2020年1月15日読了時間: 12分


S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ能力を育てる(3)
S&Cコーチがアスリートのリーダーシップを開発することをテーマにした論文紹介の第3回です。第1回はスポーツとリーダーシップに関する部分、第2回は特に変革型リーダーシップの要素であるインスピレーションの活性化、個別の配慮、理想化された影響力について、理論的な背景について述べていました。第3回の今日は、S&Cトレーニングセッションの中で、具体的にどのようにアスリートのリーダーシップを開発していくのかという例をたくさんみることになります。 過去2回の記事を参照する方は下のリンクからそれぞれのページに飛んでみてください。 第1回記事(1/12)へのリンク 第2回記事(1/13)へのリンク 文献の詳細は↓ Smith, V., & Moore, E. W. G. (2019). Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions. Strength and Conditioning J

伊藤雅充
2020年1月14日読了時間: 10分


S&Cコーチがアスリートのリーダーシップ能力を育てる(2)
昨日に引き続き、2019年にStrength and Conditioning Journalに掲載された「 ストレングス&コンディショニングセッション中にアスリートの変革的リーダーシップ行動を増加させる戦略 (Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions.)」の紹介(第2回)をします。 文献の詳細は↓ Smith, V., & Moore, E. W. G. (2019). Strategies to Increase Athletes' Transformational Leadership Behaviors During Strength and Conditioning Sessions. Strength and Conditioning Journal, 41(2), 31-37. doi:10.1519/SSC.0000000000000422 昨日

伊藤雅充
2020年1月13日読了時間: 9分
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